日頃からお付き合いのある建材流通業の桝徳さんが事務局を担っている、さいたま家づくりネットワーク。
盟章建設も会員で、埼玉県を中心に住宅産業にかかわるさまざまな担い手が繋がり、地域住文化の発展に貢献していくことを目的として活動しています。
今回は、7月に開催されたさいたま家づくりネットワーク会長橋本さんの御新居見学会についてお話しいたします。
今年、新会長として橋本さん(高橋政雄設計事務所)が就任。
橋本さんの新しい家の建築が完了し、その完成を記念した見学会が開かれました。さらに、この見学会では気密測定の結果も公開されました。
気密測定は蓜島工業さんによって行われました。
窓のメーカーYKKとシャノンの両社の窓を比較し、ガスを使用して気密性を検証しました。
減圧式と加圧式の双方の測定方法を同一装置で行い、その実演も行われました。
ここで気密測定についてご説明いたしますね。
気密測定とは、建物の隙間を床面積1m2当たりに換算したものです。
「C値」という数値で表され、C値が小さいほど隙間が少なく高気密な家を意味します。
C値が0.5未満であれば、国際的な住宅基準においても「気密性に優れている」と評価される水準です。
気密測定の結果は、0.2という高水準な数値でした。
家づくりは、専門家たちが互いに協力し、アイデアを出し合いながら進めていくもの。橋本さんのお宅を訪ね、 気密測定やサッシの気密具合の確認を通じて、私たちはそのプロセスを垣間見ました。
こうした情報交換の場を提供してくれることで、家づくりにおける知識と洞察を深めることができました。
現場で使用された測定器の実物。
気密測定は、減圧式・加圧式の2つの方法があります。
- ・家の中の空気を外に出すことで隙間の面積を測る減圧式
- ・家の中に空気を入れて隙間の面積を測る加圧式
この両方の測定を1台の装置で行えるものを使用し、具体的な手順もデモンストレーションで説明してもらいました。
小屋裏の空気を循環させるための工夫をされている様子
逆から見た写真。
小屋裏に冷房を導入する際、吹き抜けを利用して冷気を下に循環させるよう工夫がなされています。
天井があると冷気が停滞してしまうので、この問題を解決するために天井にもスリットを設け、冷気が落ちやすい状態を作っています。
また、冷気の循環を効果的に行うため、ダクトを使用し部屋に空気の流れ道を作ることで家の中全体に空気を循環させることが可能となっています。
空気を循環させるためのさまざまな工夫が凝らされており、その方法まで遺憾なく伝えていただきました。
この家は2世帯でお住まいになるとのこと。
1階には両親の住まいがあります。
元のお宅の飾り欄間を再利用し、空気の循環を図っています。
まさに通気とデザインが見事に融合していますね。
参加者同士が情報を交換している様子。
橋本さんからご説明いただいているところ。
このような機会はなかなかありません。他社の現場を見学し、知見を広げることは、新たなアイデアの源泉です。
情報の共有と交流を通じて、切磋琢磨しお互い刺激しあい、次の現場に生かしていく。
新しい考え方や設計のアプローチに触れる貴重な機会でした。
素敵な会を開催していただき、ありがとうございました。