先日、オクトコーポレーションの吉田さん(左)主催の「自立循環型住宅 関東ゼミ2023」に参加してきました。
講師は、ミライの住宅の森亨介さん(右)。
空調や換気の重要性を提唱している方で、全10回の空調講座を全国で開催もされています。
空気線図を使いながら、換気・空調を数値的に理解した上で、総合的に学べる内容となっています。
今回は温度・湿度が変わった場合、
空気中の熱量(エンタルピー)の移動やエネルギー量の移動がどのように行われるかを、
事例を用いながら計算していきました。
熱量、エンタルピー…物理の世界ですね。
ゼミでは教室内にあるエアコンを使用して、吹き出し口の面積、風量などがどのように影響するか実測しました。
実測値をベースに全体の基軸を把握し、断熱材などを加味した上で、
導入するエアコンで快適な空間ができるのかを検討できるようになります。
数値からシミュレーションをし、予測を立てた上で、実測して確認する、
というのが換気・空調を考える際には重要なこと。
また、シミュレーションと実測を繰り返すことで、
ずれも小さくなっていき、お客様に正確な提案ができるようになります。
まずは実測する癖をつけるようにするのが大切だと感じました。
今の空調・換気施工は、エアコンなどの空調設備を入れたらそれで終わりというのが現状ですが、
高気密・高断熱・高性能の家、特にHEAT20 G3/G2の高性能住宅の場合は、
それだけでは家自体の力を存分に発揮できません。
快適な空間というのは、温度と湿度のバランスで作られるのですが、
一般的なエアコンは、室温が設定温度に達すると自動的に止まるようになっていますが、湿度は加味されていません。
では、どうするのか。
ポイントは再熱除湿という空気の動きを作ることです。
簡単に言うと、設定温度に達して止まってしまったエアコンに、
強制的に暑い熱を入れて動かすことで湿度と室温のバランスをとるという仕組みなのですが、
これを家づくりに落とし込むと…
熱取得のために、1階の南側の窓は遮熱タイプのガラスを使用しないといった選択が考えられます。
換気・空調といっても、奥が深くて悩ましいですね。
生活する人にとって快適な環境を作るには、こういった理屈を理解した上で、空調環境を全体的に考える必要があります。
次回は、実績報告となっており、
実際の建てた家を事例にし、シミュレーションと実測値を照らし合わせる予定でいます。